ありふれてない日々。

成人ADHD者のぼやきとすったもんだな日常のひとこまをどうぞ。MovableTypeバージョンと基本的に内容は同じですが、携帯からのアクセス用にこちらをどうぞ。

My First Garmany Days Vol.9-Last Night of Munich-

幸せなドイツパンに囲まれた朝も、これで最後なんだなあと、
ロッジのダイニングで、早くもちょっとだけ感傷的になる。
前日、インターネットカフェで今晩のMunichの宿をやっとこさ押さえたが、
飛行機の時間に間に合うのならば、最後の夜もOberstdorfにいたかった位だった。
いや、間に合ったかもしれないけど、どたばたするのがイヤだったので。

世話になりっぱなしだった、ロッジの方にありがとうを言って精算を済ませ、
Ice Centerに行く間だけ荷物を置かせてもらうようにお願いをした。
とにかく、思い残しのないようにとだけ、それだけを思っていた。
確かにこの街は大きな街ではない。
でも、このたった数日の間で、このコンパクトさと、ゆるやかに流れる時間が、
私の心をつかんで離してくれなくなっていたのだ。
次にまた、必ず来たいけれども、それがいつになるのかはわからない。
だから、ここで後悔を残すと、次いつ取り戻せるのかわかったもんじゃない。 昼前のIce Centerは、サブリンクの方でホッケーやショートトラックの練習をしていたり、
子供のスケートレッスンをしていたりだ。
こうやって、趣味としてスポーツをしたり、将来は選手を目指したりという、
環境があるということはとても幸せなことだと思った。
この風景とも、しばらくはお別れなんだなあと思うと、
全てをしっかりと心の中に焼き付けておきたい、そう思った。
試合の時に座っていた所と、同じような場所まで行き、ひとりで座った。
またここで、友達に会える日のことを思いながら。

私がOberstdorfにこだわった一つの理由というのは、
華やかな舞台だけではなく、地道に練習を積み重ねる時間を、
この目で見てみたかったというのがある。
それが、自分がどうやってこれからをやっていけばいいのか、
そのきっかけのヒントがそこにあるような気がしていたから。
だから、この時間が私にとっては大切な時間だった。

彼は、今年からの新しいプログラムの方の修正や練習を、
コーチとじっくり相談しながら取り組んでいた。
何かに打ち込める環境があること、夢を追える環境があることは、
とても幸せなことなんだよな、もちろん当人は大変なことも多いわけだけど、
華やかな一瞬のためには、膨大な積み重ねの時間が必要なのだから。
私は、若い頃夢を追う環境と、それを応援してくれる物が何もなかった。
だから、今さらかもしれないけど、今がんばって歌っている。
できないことは相変わらず多いけれども、ここにいる人達のレベルとは到底かなわないけど、
それでも、できる環境があるということは、それだけで幸せなんだと思った。

実は、練習が始まる時に、彼は私が来ていることがわかっていた。
どうやら、想像以上にクレバーなようで、人の顔とか覚えるの早いみたいだ。
それにしてもだ、私ってここまで来てもそんなに目立つのか?
話しかけたのは一度だけで、後はスタンドで試合見てただけなんだけどなあ。
確かに、東洋人がひとりで毎日通いつめていれば、変といえば変なんだけれどもね。
しかも練習見ながら泣いてるし(汗)。

Ice Centerに最初に来た日、チケットを売ってくれたおばさんに、
Ice Domeの5周年記念ハガキを2枚ずつ下さい、と言ったら、
3枚ずつくれて、しかもタダでいいと言われてしまった。
どうやら売り物ではなかったようだ・・・お土産にもなるからいいか・・・
と思っていたそのハガキに、練習が終わった彼にサインを貰うことにした。
とても名前を書いて下さい、なんて事は恥ずかしくて言えなかった。
練習風景も何枚かシャッターを切ったが、最後に笑顔の写真を撮らせてもらった。
うち一枚は私だけの宝物、どこにも未公開のままにしてある。
Good Luck!!とだけ伝えて、彼と別れた。

Ice Centerを出て、ロッジに寄って荷物を持って、
ロッジの名詞に、「Vielen Dank!」と名前を書いて受け付けに置いて出た。
駅に向かって、窓口で時刻表にペンで引いて、また「eins bitte」で切符を買い、
時間が少しあったので駅や列車の写真を撮る。
そして、あたたかいコーヒーと、パンをひとつかってベンチであったまる。
そして、列車に乗り込み、行きと同じような場所の座席に座った。
列車がOberstdorfの駅を出たとき、なんだか悲しいというよりも、
ここにたどり着いてからの日々がぐるぐると頭をめぐって、
もうどうにも言葉にならない気持ちになった。
ありがとうOberstdorf、ありがとうここで出会った全ての人達。
私はいつか必ず、もう少しドイツ語を話せる自分になって、
必ずここに戻ってくるから、それまで少しだけお別れだね。
それまで、互いにがんばろうね、そんな事を涙をこらえながら思っていた。

Munichのホテルに着いて、無線LANにやっとありつき、
自分のPCで日本にメールを書いたり、SNSの彼のコミュに情報を入れたり、
TVでサッカーを見たりしていたら、もうすっかり夜更けになっていた。
日本では、彼の情報がなかったせいか、かなり心配されていたようだし、
ほんとに今年は大丈夫なのか?みたいな感じすらあったのだが、
現地での彼の状況を見てきて、「大丈夫」としっかり伝えられる自分が嬉しかった。

明日の飛行機は13:30。そろそろ寝ようか。
多少はお土産も買わなくてはいけないし、食事も少しはしたいしな。

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プロフィール

tareko

Author:tareko
ADHD&2次疾患(鬱・不眠・自律神経失調等々)と共に、
どへどへしながら毎日をやっている、カトリック不届者信徒です。
30年来のフィギュアスケート観戦熱再燃中。
理由は…ちょっと言えない(笑)。
その他スポーツ観戦や、歌歌い
(宗教音楽中心、クラッシックからゴスペルまで)
旅(国内から海外まで最近幅広くなりました)などを、
こよなく愛しております。
つまらん文章をだらだらと書き続けると思いますが、
懲りずにおつきあいいただければ幸いです。

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